【案件レビュー】八王子市長沼町
木造3階・25㎡×28戸の収益共同住宅を検討
今回検討したのは、東京都八王子市長沼町の売土地です。
京王線「平山城址公園」駅から徒歩8分。
約441㎡のまとまった土地について、**木造3階建・25㎡×28戸・延床約850㎡**の収益共同住宅として成立性を検討しました。
物件概要
- 所在地:東京都八王子市長沼町
- 交通:京王線「平山城址公園」駅 徒歩8分
- 交通:JR中央本線「豊田」駅 バス9分+徒歩9分
- 土地価格:5,500万円
- 土地面積:441.01㎡
- 用途地域:近隣商業地域
- 建蔽率:80%
- 指定容積率:200%
- 接道①:北西側 公道 約9.0m
- 接道②:東側 道路 約5.0m
- 間口:北西側 約15.0m、東側 約19.0m
- 地勢:平坦
- 現況:古家付
- 建築条件:なし
販売図面では、土地面積441.01㎡、近隣商業地域、建蔽率80%・容積率200%、北西側約9.0m道路および東側約5.0m道路に接する二方道路の土地で、建築条件なし・現況古家付とされています。
また、平山城址公園駅徒歩8分であることも確認できます。
ボリューム検討
今回は、ガイド4の基準に基づき、3階建のため木造で計画を想定します。
想定建物
- 構造:木造
- 階数:3階建
- 戸数:28戸
- 住戸面積:約25㎡/戸
- 専有面積合計:約700㎡
- 延床面積:約850㎡
- 想定間取り:1K~1DK
- エレベーター:なし
基本的には、1フロアあたり9~10戸 × 3階程度の構成をイメージします。
25㎡タイプを採用することで、東京都内で15戸以上の計画に対しても、ワンルーム系住戸面積の面で比較的検討しやすい設定です。
容積率の考え方
本件の指定容積率は**200%**です。
近隣商業地域の道路幅員による容積率制限は、
前面道路幅員 × 0.6
で考えます。
本件は、
- 北西側約9.0m道路
- 東側約5.0m道路
に接しているため、いずれも道路幅員による容積率制限は200%を下回りません。
したがって、実際の上限は**指定容積率200%**となります。
容積対象床面積の目安
441.01㎡ × 200% = 約882.0㎡
今回想定する延床面積は**約850㎡**であり、容積率の範囲内で比較的素直に計画しやすいボリュームです。
建築計画イメージ
想定構成
- 1階:25㎡住戸 × 10戸
- 2階:25㎡住戸 × 10戸
- 3階:25㎡住戸 × 8戸前後
- 共用廊下
- 共用階段
- エントランス
- 駐輪場
- ゴミ置場
- メーターボックス等
合計、
25㎡ × 28戸 = 専有面積約700㎡
を基本とし、共用部を加えて**延床約850㎡**とする計画です。
約441㎡の敷地があるため、小規模案件よりも平面計画の自由度が高く、木造3階でも比較的戸数を確保しやすい点が本件の魅力です。
賃料想定
平山城址公園駅徒歩8分という立地と、25㎡クラスの新築単身者向け住戸を前提に、ここでは
想定賃料:6.0万円/戸前後
として試算します。
満室想定年収
6.0万円 × 28戸 × 12か月
= 2,016万円/年
収益シミュレーション
土地費
5,500万円
建築費
木造3階建・延床約850㎡
約257.1坪
木造建築費を概算で、
約80万円/坪
とすると、
257.1坪 × 80万円
= 約2億570万円
土地+建物
5,500万円 + 2億570万円
= 約2億6,070万円
※上記は土地費+概算建築費による簡易試算です。
※実際には、解体費・設計料・確認申請費・外構・地盤改良・インフラ引込・各種諸経費等を別途見込む必要があります。
想定表面利回り
年間満室賃料2,016万円の場合、
2,016万円 ÷ 2億6,070万円 × 100
= 約7.7%
となります。
東京エリアで当社が一つの目安としている**表面利回り6%**を十分上回る水準であり、木造3階の中規模収益共同住宅として魅力のある案件です。
賃料別シミュレーション
| 想定賃料 | 年間満室収入 | 想定表面利回り |
|---|---|---|
| 5.5万円 | 1,848万円 | 約7.1% |
| 5.8万円 | 1,948.8万円 | 約7.5% |
| 6.0万円 | 2,016万円 | 約7.7% |
| 6.3万円 | 2,116.8万円 | 約8.1% |
この案件では、1戸あたり月額5.8万~6.0万円前後を確保できるかが、事業性判断のポイントになります。
この案件の良い点
1.土地441㎡のまとまった敷地
販売図面上でも約441㎡のまとまった土地であり、小規模案件に比べて平面効率を取りやすい点が大きな魅力です。
2.近隣商業地域・容積率200%
近隣商業地域であり、かつ道路条件も良好なため、指定容積率200%を素直に使いやすい案件です。
3.木造3階で建築費を抑えやすい
延床850㎡規模であっても、3階建に抑えることでS造より建築費を抑えやすく、収益性を確保しやすい構成です。
4.二方道路で計画しやすい
北西側約9.0m、東側約5.0mの二方道路に接しているため、アプローチ計画や採光・通風の面でも有利に働く可能性があります。
注意点
1.現況古家付
現況は古家付となっており、解体費用を事業費に見込む必要があります。
2.木造3階・28戸の計画精査
戸数が28戸と多いため、
- 共用廊下
- 階段計画
- 駐輪場
- ゴミ置場
- メータースペース
- 消防・避難計画
などを含めた詳細なボリューム検討が必要です。
3.インフラ・地盤・境界確認
大きめの敷地では、地盤条件・既存埋設物・上下水引込・境界確定などにより、追加コストが発生する可能性があります。
4.実際の総事業費
今回の収支は、土地+概算建築費ベースの簡易試算です。
実際には、
- 解体費
- 設計監理料
- 確認申請費
- 外構工事
- 地盤改良費
- 登記費用
- 融資費用
- 各種税金
等も加味して、最終的な事業判断を行う必要があります。
総合評価
八王子市長沼町は、
土地441.01㎡・近隣商業地域・容積率200%・二方道路
という条件を活かし、
**木造3階建・25㎡×28戸・延床約850㎡**の中規模収益共同住宅として検討しやすい案件です。
本案件の特徴は、S造高層化で容積を追うのではなく、
木造3階で建築費を抑えながら、28戸というまとまった戸数を確保することにあります。
想定賃料6.0万円/戸で試算した場合、土地+建物ベースで**表面利回り約7.7%**となり、東京エリアの新築収益案件として十分に魅力のある水準です。
木造3階であっても、25㎡住戸を28戸確保できる可能性があり、必要賃料も比較的現実的な水準に収まりやすいため、収支が組みやすい案件だと考えます。
本記事は公開資料をもとにした簡易的な事業性検討です。想定建物・賃料・建築費等は当社による概算検討であり、実際の建築可否・収益性・法令適合性を保証するものではありません。計画にあたっては、行政等への最終協議が必要です。