【案件レビュー】大阪市西成区千本北1丁目
25㎡住戸×21戸・木造3階共同住宅を検討
今回検討したのは、大阪市西成区千本北1丁目の売土地です。
販売価格は7,000万円。
大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅徒歩6分という交通利便性と、約300㎡を超えるまとまった土地を活かし、今回は高層S造ではなく、**木造3階建・25㎡住戸×21戸・延床約575㎡**の低層収益共同住宅として事業性を検討しました。
販売資料では、公簿土地面積306.83㎡、近隣商業地域、建ぺい率80%、指定容積率300%、準防火地域、現況更地となっています。
物件概要
所在地:大阪市西成区千本北1丁目
販売価格:7,000万円
公簿土地面積:306.83㎡
地目:宅地
用途地域:近隣商業地域
建ぺい率:80%
指定容積率:300%
防火指定:準防火地域
現況:更地
建築条件:なし
私道負担:73.48㎡
セットバック:あり
地勢:平坦
最寄駅
大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅 徒歩6分
岸里駅徒歩圏に加え、千本北1丁目では西天下茶屋駅や天下茶屋駅を利用できる物件もみられ、複数路線を利用しやすいエリアです。現在の賃貸募集例でも、千本北1丁目から岸里駅徒歩5分、西天下茶屋駅徒歩6~7分、天下茶屋駅徒歩10分前後の事例が確認できます。
道路条件
本物件では、道路条件の確認が非常に重要です。
販売資料では、
東側:幅員約4.5m・接面約19.96m
西側:幅員約0.9m・接面約21.5m
となっています。さらに、西側里道についてはセットバックが必要であり、販売資料作成時点で里道の払い下げ申請中とされています。
実効容積率の検討
本物件は近隣商業地域です。
東側道路幅員約4.5mを基準にすると、
4.5m × 0.6 = 270%
指定容積率300%に対して、
実効容積率は約270%
を一つの目安とします。
ただし、道路種別、私道負担、西側里道、セットバック後の敷地面積等については、詳細調査による確定が必要です。
建築計画(想定)
今回の計画は、
木造3階建
25㎡住戸×21戸
延床面積 約575㎡
です。
住戸専有面積は、
25㎡ × 21戸
↓
525㎡
となります。
基本的には、
1フロア7戸 × 3階
というシンプルな構成を想定します。
約300㎡の土地面積を活かし、高層化するのではなく、木造3階建で21戸を確保し、建築コストを抑えることを狙った計画です。
延床面積
住戸専有面積
525㎡
+
共用廊下・階段・エントランス・PS・MB等
約50㎡
↓
延床面積 約575㎡
を想定します。
3階建とすることで、エレベーターを設置しない計画も検討でき、S造5~6階建と比較して建築費・維持管理費を抑えられる可能性があります。
建ぺい率の検討
公簿土地面積306.83㎡を単純に基準とすると、
306.83㎡ ×80%
↓
約245.5㎡
です。
今回の延床575㎡を3階で単純平均すると、
575㎡ ÷3階
↓
約191.7㎡/階
となります。
したがって、公簿面積ベースでは建ぺい率80%以内に収まる計算です。
ただし、本物件には私道負担73.48㎡および西側里道のセットバックがあります。
そのため、実際の建築敷地面積が確定した段階で、建築面積・建ぺい率を再計算する必要があります。
想定プラン
- 木造3階建
- 25㎡住戸×21戸
- 1フロア7戸×3階
- 住戸専有面積合計約525㎡
- 延床面積約575㎡
- 1K~1DK中心
- オートロック
- 宅配ボックス
- 防犯カメラ
- インターネット無料
- 駐輪場
- ごみ置場
今回のような25㎡クラスでは、単純な住戸面積だけでなく、独立洗面・浴室乾燥・宅配ボックス・インターネット無料等の商品力を持たせることが賃料設定と入居率のポイントになります。
想定賃料
今回は新築25㎡住戸として、
月額6.0万円~6.5万円/戸
を事業シミュレーション上の想定賃料とします。
参考として、現在確認できる千本北1丁目の募集例では、築古24~25㎡クラスで4万円台、2025年築の木造3階建・21.79㎡の1Kで月額5.2万円の掲載例があります。したがって、今回の6.0~6.5万円は新築25㎡・設備仕様を高めた場合の事業上の目標賃料として扱うのが安全です。
年間満室想定収入
月額6.0万円の場合
6.0万円 ×21戸 ×12か月
↓
1,512万円/年
月額6.5万円の場合
6.5万円 ×21戸 ×12か月
↓
1,638万円/年
したがって、
年間満室想定収入 約1,512万円~1,638万円
と試算します。
1戸あたり土地取得原価
土地価格7,000万円に対して21戸を確保した場合、
7,000万円 ÷21戸
↓
約333万円/戸
となります。
大阪市内・駅徒歩6分の21戸計画としては、比較的抑えられた土地原価です。
想定建築費
延床575㎡
↓
約173.9坪
木造3階共同住宅として、今回は概算、
坪85万円
で試算します。
173.9坪 ×85万円
↓
約1億4,780万円
※建築費は構造計画、地盤・基礎、準防火地域への対応、設備仕様、外構、施工条件等によって変動します。
想定総事業費
土地価格
7,000万円
+
建築費
約1億4,780万円
↓
約2億1,780万円
※設計監理費、確認申請費、地盤改良・杭工事、外構工事、融資費用、税金、各種負担金等は含まない概算です。
想定表面利回り
年間満室想定収入
約1,512万円~1,638万円
÷
想定総事業費 約2億1,780万円
↓
約6.9%~7.5%
となります。
大阪案件で一つの目安としている表面利回り7%前後を狙える計画です。
特に、木造3階建とすることでS造高層案より建築費を抑えられれば、本案件の収益性を高められる可能性があります。
この計画の良い点
✅ 大阪メトロ四つ橋線「岸里」駅徒歩6分
✅ 大阪市内で300㎡を超えるまとまった土地
✅ 近隣商業地域
✅ 現況更地
✅ 25㎡×21戸の中規模共同住宅計画
✅ 木造3階建による建築コスト抑制
✅ EVなし計画を検討可能
✅ 1戸あたり土地取得原価約333万円
✅ 想定表面利回り約6.9~7.5%
✅ 21戸という戸数を確保することで土地原価を分散できる
注意点
- 私道負担73.48㎡の扱いを要確認
- 西側里道についてセットバックが必要
- 里道の払い下げ申請状況を要確認
- 地積更正依頼中のため確定面積を要確認
- 販売資料では西側道路幅員約0.9mとなっており道路種別の確認が必要
- 木造3階・25㎡×21戸が成立するか詳細な平面計画が必要
- 建築面積は確定有効敷地面積を基準に再検討が必要
- 準防火地域における木造3階共同住宅の仕様・コストを要確認
- 21戸規模に必要となる駐輪場・ごみ置場等の条例・要綱を確認
- 想定賃料6.0~6.5万円について新築競合物件による市場調査が必要
また販売資料には、東側道路のアーケード使用料および商店街組合への加入が必要となる可能性についても記載がありますので、取得前に確認しておきたい項目です。
総合評価
大阪市西成区千本北1丁目は、岸里駅徒歩6分という交通利便性と、300㎡を超えるまとまった土地面積を活かせる収益共同住宅候補地です。
今回のポイントは、指定容積率を最大限消化する高層S造ではなく、
木造3階建・25㎡×21戸・延床約575㎡
とすることで、建築コストを抑えながら戸数を確保する計画としたことです。
土地価格7,000万円に対して21戸を想定した場合、1戸あたり土地取得原価は約333万円。
想定賃料を月額6.0~6.5万円とすると、年間満室想定収入は約1,512~1,638万円。
土地価格+概算建築費による総事業費約2億1,780万円に対して、
想定表面利回り 約6.9%~7.5%と試算します。
大阪案件で目標としている7%前後を狙える水準であり、高層化によって容積率を使い切るより、木造3階建で建築費を抑える方が収益性の面では有利になる可能性がある案件です。
一方、本物件では私道負担、西側里道のセットバック、払い下げ申請、地積更正という道路・敷地条件の確認が非常に重要です。販売資料でもこれらが明記されています。
したがって、現段階では25㎡×21戸を事業シミュレーション上の計画案とし、確定測量および道路調査後に建築ボリュームを再確認することを前提とします。
それでも、岸里駅徒歩6分・土地7,000万円・木造3階21戸という組み合わせは収益性に期待でき、詳細検討する価値の高い案件と判断します。
※掲載内容について
本記事は販売資料および概算条件に基づき、S-REALDEVE独自の視点で事業性をシミュレーションした参考資料です。
販売資料から確認できる土地価格、土地面積、用途地域、建ぺい率、容積率、道路条件、私道負担、セットバック、現況等と、木造3階建・25㎡×21戸・延床約575㎡という想定建築計画を組み合わせて検討しています。
建築可能面積、道路・私道・里道の取扱い、容積率、建ぺい率、準防火地域への対応、条例適合性、建築費、賃料および収益性等については、確定測量・行政調査・詳細設計・建築確認申請・市場調査等による最終確認が必要です。