【案件レビュー】東京都江戸川区西小岩3丁目
S造6階建・25㎡×11戸の収益共同住宅を検討
今回検討したのは、東京都江戸川区西小岩3丁目の売土地です。
販売価格は8,280万円。
JR総武線「小岩」駅徒歩9分、土地面積111.57㎡、第一種住居地域・指定容積率300%という条件を活かし、今回は、
S造6階建
25㎡住戸×11戸
延床約350㎡
の都市型収益共同住宅として事業性を検討しました。
販売資料では南東側約9.1m道路と北東側約4.0m道路に面する角地となっており、建築条件なしの土地です。
物件概要
所在地:東京都江戸川区西小岩3丁目
販売価格:8,280万円
土地面積:111.57㎡
用途地域:第一種住居地域
建ぺい率:60%
指定容積率:300%
現況:上物あり
建築条件:なし
接道:南東側約9.1m・北東側約4.0m
敷地条件:角地
交通アクセス
JR総武線「小岩」駅 徒歩9分
本案件の大きなポイントの一つです。
小岩駅から総武線を利用することで、秋葉原・御茶ノ水・新宿方面へのアクセスが可能です。
**「23区内+JR駅徒歩10分圏内」**という条件は、賃貸募集だけでなく、完成後の一棟収益物件としての出口戦略でも評価しやすいと考えます。
道路・敷地条件
販売資料では、南東側:約9.1m道路
北東側:約4.0m道路に面する角地です。
今回のような6階建共同住宅では、単純な容積率だけではなく、
- 接道長
- 道路種別
- 道路斜線
- 避難計画
- 東京都建築安全条例
- 江戸川区の共同住宅関連基準
などを含めた詳細確認が必要です。
特に今回の二次判定では、共同住宅として必要な接道長が確保できているかを最終設計前に再確認することを重要条件とします。
実効容積率
第一種住居地域のため、前面道路幅員による容積率制限を確認します。
南東側道路約9.1mを基準とすると、
9.1m ×0.4
↓
364%
となります。
指定容積率は300%なので、
実効容積率300%
を想定します。
建築計画
今回の想定計画は、
S造6階建
25㎡×11戸
延床面積 約350㎡
です。
住戸専有面積合計は、
25㎡×11戸
↓
275㎡です。
※1階にはエントランス、オートロック、宅配ボックス、メールボックス、ごみ置場等を配置し、上階のレンタブル比を高める計画を想定します。
建ぺい率
土地面積111.57㎡に対して、指定建ぺい率60%の場合、
111.57㎡ ×60%
↓
約66.94㎡です。
角地緩和等が適用できる場合は許容建築面積が増える可能性がありますが、本記事では安全側に指定建ぺい率60%を基準として考えます。
延床350㎡を6階で単純平均すると、
350㎡ ÷6
↓
約58.3㎡/階です。
したがって単純計算上は、建ぺい率60%でも成立を検討できるボリュームです。
想定住戸
25㎡の1K~1DKを想定します。
設備仕様として、
- バス・トイレ別
- 独立洗面化粧台
- 室内洗濯機置場
- 浴室乾燥機
- 2口コンロ
- オートロック
- 宅配ボックス
- 防犯カメラ
- インターネット無料
- エアコン
などを想定します。
駅徒歩9分の新築物件として、単純に賃料を抑えるのではなく、設備仕様とデザイン性を高めることで競争力を確保する計画です。
周辺賃料の確認
2026年の西小岩3丁目では、新築1Kの募集事例として、
20.01㎡・小岩駅徒歩9分:7.9万円
20.82㎡・徒歩8分:8.7万円
24.19㎡・徒歩7分:8.8万円
また、築年数は古いものの25.87㎡・徒歩8分で7.5万円という事例もあります。
これらはあくまで募集賃料であり成約賃料ではありませんが、今回の新築25㎡住戸の事業シミュレーションを考える参考になります。
想定賃料
今回の計画では、
月額8.5万円~9.0万円/戸
を想定します。
25㎡という専有面積、新築S造、設備仕様、小岩駅徒歩9分という条件を考慮した設定です。
年間満室想定収入
月額8.5万円の場合
8.5万円 ×11戸 ×12か月
↓
1,122万円/年
月額9.0万円の場合
9.0万円 ×11戸 ×12か月
↓
1,188万円/年
したがって、
年間満室想定収入 約1,122万円~1,188万円
と試算します。
1戸あたり土地取得原価
土地価格8,280万円に対して11戸を確保した場合、
8,280万円 ÷11戸
↓
約753万円/戸
です。
昨日検討した柏原市古町1丁目のような低土地原価型案件とは異なり、本案件では東京23区・JR駅徒歩10分圏という立地価値を含めて評価する必要があります。
想定建築費
延床350㎡
↓
約105.9坪
今回はS造6階建・EVありを想定し、
坪130万円で概算します。
105.9坪 ×130万円
↓
約1億3,770万円です。
※地盤・杭・構造計画・EV・消防設備・設備仕様・施工条件等によって実際の建築費は変動します。
想定総事業費
土地価格
8,280万円
+
想定建築費
約1億3,770万円
↓
約2億2,050万円
※設計監理費、確認申請費、既存建物解体費、地盤・杭、外構、融資費用、税金、各種負担金等は含まない概算です。
想定表面利回り
年間満室想定収入
約1,122万円~1,188万円
÷
想定総事業費 約2億2,050万円
↓
約5.1%~5.4%となります。
東京案件で目標としている**表面利回り6%**には、現状の概算条件では届きません。
したがって、この案件では建築費の合理化が重要です。
収益性改善シミュレーション
仮に建築費を、坪130万円 → 坪115万円まで圧縮できた場合、
105.9坪 ×115万円
↓
約1億2,180万円
土地価格との合計は、
約2億460万円です。
年間収入1,188万円の場合、
1,188万円 ÷2億460万円
↓
約5.8%まで改善します。
さらに設計の工夫によって12戸を確保できるか、あるいは25㎡住戸の商品力を高めて賃料単価を上げられるかが、6%ラインを狙うためのポイントになります。
この計画の良い点
✅ JR総武線「小岩」駅徒歩9分
✅ 東京23区内
✅ 南東側約9.1m道路
✅ 角地
✅ 実効容積率300%を想定可能
✅ S造6階・25㎡×11戸の都市型共同住宅
✅ 住戸専有面積275㎡に対して容積上の余裕あり
✅ 新築25㎡の賃貸商品として競争力を持たせやすい
✅ 一棟収益物件として出口戦略を検討しやすい
注意点
- 共同住宅として必要な接道長の最終確認
- 東京都建築安全条例への適合確認
- 江戸川区の共同住宅関連条例・要綱の確認
- 角地緩和適用の可否
- 既存建物の解体費
- S造6階の構造・基礎・杭計画
- EV設置による建築費・レンタブル比への影響
- 延床350㎡のうち容積率算入・不算入面積の精査
- 25㎡×11戸を実際に配置できるか詳細平面計画が必要
- 想定賃料8.5~9.0万円は募集事例を参考とした概算であり、成約賃料の調査が必要
総合評価
江戸川区西小岩3丁目は、JR小岩駅徒歩9分・角地・指定容積率300%という立地条件を活かした都市型収益マンション候補地です。
今回想定した、
S造6階建
25㎡×11戸
延床約350㎡
では、住戸専有面積合計275㎡。
土地面積111.57㎡に対する容積率算定上限は約334.7㎡となるため、住戸部分については十分収まります。
想定賃料8.5~9.0万円の場合、
年間満室想定収入 約1,122~1,188万円
土地価格+概算建築費による表面利回りは、
約5.1~5.4%と試算します。
建築費を坪115万円程度まで合理化できれば、
約5.8%まで改善する可能性があります。
したがって本案件は、単純な高利回り案件というより、
「23区内 × JR駅徒歩10分圏 × 角地 × 300%容積」
という立地価値を活かしながら、建築費の合理化と将来の出口価値を組み合わせて事業性を高める案件と評価します。
特に、周辺では2026年の新築20~24㎡台で7万円台後半~8万円台後半の募集事例が確認できるため、25㎡の新築住戸として商品性を高められれば、今回設定した8.5~9.0万円は検討レンジに入ると考えます。
一方、今回の計画を実際に進める場合には、共同住宅としての接道長・東京都建築安全条例への適合を最優先で確認することが必要です。
※掲載内容について
本記事は販売資料および概算条件に基づき、S-REALDEVE独自の視点で事業性をシミュレーションした参考資料です。
**S造6階建・25㎡×11戸・延床約350㎡**は現時点での弊社基準の計画であり、建築を保証するものではありません。
建築可能面積、接道条件、容積率不算入、角地緩和、条例適合性、構造計画、地盤・杭、建築費、賃料および収益性については、行政調査・確定測量・詳細設計・建築確認申請・市場調査等による最終確認が必要です。