島田不動産開発

【案件レビュー】東京都荒川区南千住5丁目

33㎡住戸×11戸・S造11階共同住宅を検討

今回検討したのは、東京都荒川区南千住5丁目の売土地です。

販売価格は9,980万円

JR常磐線「南千住」駅徒歩3分、東京メトロ日比谷線「南千住」駅徒歩4分という高い交通利便性に加え、**商業地域・指定容積率500%という土地条件を活かし、今回はS造11階建・33㎡住戸×11戸・延床約500㎡**の都市型収益共同住宅として事業性を検討しました。

販売資料上の公簿土地面積は98.15㎡ですが、北側2項道路による仮道路後退部分約14.99㎡があり、**仮有効宅地部分は約83.18㎡**とされています。

物件概要

所在地:東京都荒川区南千住5丁目40-10
販売価格:9,980万円
公簿土地面積:98.15㎡(約29.69坪)
仮有効宅地面積:約83.18㎡(約25.16坪)
仮道路後退部分:約14.99㎡
土地権利:所有権
地目:宅地
都市計画:市街化区域
用途地域:商業地域
建ぺい率:80%
指定容積率:500%
防火地域:防火地域
現況:古家あり(更地渡し)
建築条件:なし

販売資料には、東京都建築安全条例第7条の3による防火規制区域、宅地造成等工事規制区域の記載もあります。

最寄駅

JR常磐線「南千住」駅 徒歩3分
東京メトロ日比谷線「南千住」駅 徒歩4分
駅徒歩3~4分という交通条件は、本案件の大きな強みです。販売資料でも「南千住駅徒歩3分の好アクセス」「再開発エリアの希少物件」と紹介されています。

道路条件

本物件は二方向に道路があります。
東側:公道・幅員約20m・接道約5.7m
北側:私道・幅員約3.1m・接道約16.9m
北側は2項道路のためセットバックが必要となり、販売資料では仮道路後退部分約14.99㎡、**仮有効宅地部分約83.18㎡**とされています。

実効容積率の検討

本物件は商業地域、指定容積率500%です。
東側約20m公道を基準とすると、
20m × 0.6

1,200%
指定容積率500%の方が厳しいため、

実効容積率500%

を採用します。

容積率算定対象面積

今回は安全側に、販売資料記載の仮有効宅地面積83.18㎡を基準として検討します。
83.18㎡ ×500%

約415.9㎡

今回想定する住戸専有面積は、
33㎡ ×11戸

363㎡

したがって、住戸専有面積363㎡は容積率算定対象面積約415.9㎡以内に収まります。

余裕は、
415.9㎡ −363㎡

約52.9㎡

今回の延床面積は約500㎡を想定するため、共用廊下・共用階段等の容積率不算入を活用することを前提とした計画となります。

建築計画(想定)

今回の計画は、
S造11階建
33㎡住戸×11戸
延床面積 約500㎡
です。

住戸専有面積合計は、
33㎡ ×11戸

363㎡
となります。

狭小地を高層化し、基本的には1フロア1戸を中心とした縦型共同住宅を想定します。
33㎡という住戸面積を確保することで、一般的な20~25㎡クラスの1Kよりも商品性を高め、1DK~コンパクト1LDKとしての展開を想定します。

延床面積

住戸専有面積
363㎡

共用廊下・階段・エレベーター・エントランス・PS・MB等
約137㎡

延床面積 約500㎡
を想定します。

11階建となるため、エレベーター1基を設置する前提です。
1フロア1戸を基本とすることで、共用廊下をコンパクトにまとめ、レンタブル比を高められるかが設計上のポイントとなります。

建ぺい率の検討

仮有効宅地面積
83.18㎡
×
80%

許容建築面積 約66.54㎡
です。

延床500㎡を11階で単純平均すると、
500㎡ ÷11階

約45.5㎡/階
となります。

単純計算では許容建築面積約66.54㎡以内に収まります。
ただし実際には、1階エントランス・階段・EV・設備スペース、上階の住戸配置等によって各階床面積が異なるため、詳細設計による確認が必要です。

想定住戸プラン

今回の33㎡住戸では、

  • 1DK~1LDK
  • 居室+ダイニングキッチン
  • バス・トイレ別
  • 独立洗面化粧台
  • 室内洗濯機置場
  • 浴室乾燥機
  • 2口コンロ
  • 宅配ボックス
  • オートロック
  • 防犯カメラ
  • インターネット無料
    を想定します。

単純に「戸数を最大化する」のではなく、駅徒歩3分という立地を活かして住戸面積を33㎡まで広げ、賃料単価と入居者層の幅を確保する計画です。

想定賃料

今回の事業シミュレーションでは、新築33㎡・1DK~1LDKとして、
月額11.5万円~12.5万円/戸
を想定します。

※販売資料には賃料情報の記載がありません。この賃料は本記事上の事業シミュレーションとして設定した想定値であり、実際の募集賃料については南千住駅周辺の新築・築浅30~35㎡クラスを対象とした市場調査が必要です。

年間満室想定収入
月額11.5万円の場合

11.5万円 ×11戸 ×12か月

1,518万円/年

月額12.5万円の場合

12.5万円 ×11戸 ×12か月

1,650万円/年

したがって、
年間満室想定収入 約1,518万円~1,650万円
と試算します。

1戸あたり土地取得原価

土地価格9,980万円に対して11戸を確保した場合、
9,980万円 ÷11戸

約907万円/戸
となります。

郊外型案件と比較すると高い水準ですが、南千住駅徒歩3分という立地価値を考慮して評価する必要があります。

想定建築費

延床500㎡

約151.3坪
今回はS造11階建となるため、低層S造より建築単価を高めに設定し、坪140万円で概算します。

151.3坪 ×140万円

約2億1,180万円
と試算します。

※11階建のため、構造躯体・基礎・杭・エレベーター・耐火仕様・消防設備・施工条件等により建築費は大きく変動する可能性があります。

想定総事業費

土地価格
9,980万円

建築費
約2億1,180万円

約3億1,160万円

※設計監理費、確認申請費、地盤改良・杭工事、外構費、融資費用、税金、各種負担金等は含まない概算です。

想定表面利回り

年間満室想定収入
約1,518万円~1,650万円
÷
想定総事業費 約3億1,160万円

約4.9%~5.3%となります。

東京案件で目標としている表面利回り6%と比較すると、今回の概算条件ではやや低い水準です。ただし、本案件では単純な表面利回りだけでなく、

南千住駅徒歩3分
商業地域500%
33㎡という商品性
都心アクセス
将来の一棟売却時の出口
まで含めて評価する必要があります。

収益性改善のポイント

今回の計画で最も重要なのは建築費です。
仮に建築費を坪140万円から坪125万円まで圧縮できれば、
151.3坪 ×125万円

約1億8,910万円
土地価格との合計は、約2億8,890万円となります。
年間収入1,650万円なら、
1,650万円 ÷2億8,890万円

表面利回り 約5.7%まで改善します。

したがって、この案件は賃料を無理に上げるより、S造11階建の建築単価をどこまで抑えられるかが事業性を左右すると考えます。

この計画の良い点

✅ JR常磐線「南千住」駅徒歩3分

✅ 東京メトロ日比谷線「南千住」駅徒歩4分

✅ 商業地域・実効容積率500%

✅ 東側約20m公道

✅ 角地

✅ 33㎡×11戸という差別化された住戸構成

✅ 1DK~1LDKとして単身者・二人入居双方を狙える

✅ 1フロア1戸を中心とした商品性の高い計画が可能

✅ 駅近立地による賃貸需要を期待できる

✅ 将来の一棟収益物件としての出口戦略を検討しやすい

注意点

  • 北側約3.1mの2項道路によるセットバックあり
  • 公簿98.15㎡に対し仮有効宅地は約83.18㎡
  • 仮道路後退面積約14.99㎡は実測確定が必要
  • S造11階建の構造・高さ・斜線・日影等の法規検討が必要
  • 防火地域への対応が必要
  • EV・階段・PS等を含めて33㎡住戸を各階に確保できるか詳細検討が必要
  • 延床500㎡のうち容積率算入・不算入部分の精査が必要
  • 高層狭小建築のため施工性・工事費への影響が大きい
  • 杭・地盤条件によって建築費が大きく変動する可能性
  • 想定賃料11.5~12.5万円は市場調査による確認が必要
  • 荒川区および東京都の共同住宅関連条例等の確認が必要

総合評価

東京都荒川区南千住5丁目は、南千住駅徒歩3分・商業地域・指定容積率500%という、都市型収益マンションに適した立地条件を持つ土地です。

販売資料上の公簿面積は98.15㎡ですが、北側2項道路による仮道路後退部分約14.99㎡を考慮すると、**仮有効宅地面積は約83.18㎡**となります。

今回想定した、S造11階建・33㎡×11戸・延床約500㎡では、住戸専有面積合計363㎡。
仮有効宅地83.18㎡に対する容積率算定対象面積約415.9㎡以内に住戸部分を収めながら、共用廊下・階段等の容積率不算入を活用する計画です。

想定賃料を月額11.5~12.5万円とした場合、年間満室想定収入は約1,518~1,650万円。
土地価格と概算建築費を合わせた総事業費約3億1,160万円に対し、
想定表面利回り 約4.9%~5.3%と試算します。

表面利回りだけを見ると東京案件の目標6%には届きません。

一方、本案件は**「高利回り型」ではなく、「駅近・高容積・商品性・出口価値」を重視する都市型案件**として評価するのが適切だと考えます。特に今回は25㎡程度まで住戸を小さくして戸数を最大化するのではなく、33㎡の1DK~1LDKを11戸確保することで、賃料・入居者層・将来の売却時の商品力を高める計画としています。今後の事業性を左右する最大のポイントは、S造11階建の建築費をどこまで合理化できるかです。

南千住駅徒歩3分という立地、商業地域500%、約20m公道という条件を総合すると、収益性だけでなく中長期の資産価値・出口戦略まで含めて詳細検討する価値の高い案件と判断します。

※掲載内容について

本記事は販売資料および概算条件に基づき、S-REALDEVE独自の視点で事業性をシミュレーションした参考資料です。

販売資料から確認できる内容は、土地価格、公簿土地面積、仮有効宅地面積、セットバック、用途地域、建ぺい率、容積率、道路条件、交通条件、現況等です。

S造11階建・33㎡住戸×11戸・延床約500㎡という建築計画、想定賃料、建築費、総事業費および利回りについては、本記事上の想定条件による試算です。

建築可能面積、容積率不算入、道路後退、高さ・斜線・防火規制、条例適合性、構造計画、地盤・杭、建築費、賃料および収益性等については、確定測量・行政調査・詳細設計・建築確認申請・市場調査等による最終確認が必要です。

《上記案件の資料請求、詳細検討、及び行政協議ご希望の方はこちらからご依頼ください》