【Case Review|SCR-20260803-01】
東京都墨田区墨田5丁目
25㎡住戸×20戸・S造5階共同住宅計画を検討
今回検討したのは、東京都墨田区墨田5丁目の売土地です。
販売価格は1億5,500万円。
東武伊勢崎線「鐘ヶ淵」駅から徒歩4分、「堀切」駅から徒歩11分の立地にあり、約77.29坪のまとまった敷地を活かして、S造5階建・25㎡住戸×20戸の収益共同住宅として事業性を検討しました。
販売資料では、建築条件なし・更地渡しで、共同住宅や旅館業など幅広い活用が可能な土地として紹介されています。用途地域は近隣商業地域と準工業地域にまたがり、南側の私道約4mに接しています。
物件概要
所在地:東京都墨田区墨田5丁目
販売価格:15,500万円
土地面積:255.53㎡(約77.29坪)
土地権利:所有権
地目:宅地
用途地域:近隣商業地域・準工業地域
建ぺい率:80%
指定容積率:300%・200%
前面道路:南側私道 約4m
道路種別:建築基準法第42条第2項道路
現況:更地渡し
防火地域等:準防火地域
高度地区:第三種高度地区
建築条件:なし
引渡し:相談
最寄駅
- 東武伊勢崎線「鐘ヶ淵」駅 徒歩4分
- 東武伊勢崎線「堀切」駅 徒歩11分
実効容積率の検討
本物件は、近隣商業地域と準工業地域の2つの用途地域にまたがっています。
前面道路幅員は約4mです。
近隣商業地域部分については、非住居系用途地域として、
4.0m × 0.6
↓
240%
となります。
指定容積率300%より道路幅員制限の240%が厳しいため、近隣商業地域部分の実効容積率は約240%となります。
一方、準工業地域部分は指定容積率200%であるため、
実効容積率200%を採用します。
したがって、敷地全体の実効容積率は、各用途地域に属する敷地面積の割合に応じて加重平均する必要があります。
現時点では、敷地全体で不利側の実効容積率約200%として検討します。
容積率算定対象面積
土地面積255.53㎡に対し、実効容積率を200%とした場合、
実効容積率200%の場合
255.53㎡ × 200%
↓
約511.1㎡
面積は、
約511.1㎡
と試算します。
※実際の許容容積率は、用途地域境界の位置と各区域の敷地面積を確認したうえで、加重平均により算定する必要があります。
建築計画(想定)
今回の検討では、
S造5階建
25㎡住戸×20戸
を想定しました。
住戸専有面積25㎡ × 20戸
↓
500㎡
住戸専有面積500㎡は、実効容積率を最低の200%とした場合の容積率算定対象面積約511.1㎡以内に収まります。
ただし、その差は約11㎡と小さいため、共用部の容積率不算入条件や住戸面積の算定方法を含め、詳細設計時の慎重な調整が必要です。
延床面積の検討
住戸専有面積
500㎡
+
共用廊下・共用階段・エントランス・PS・MB等
約50㎡
↓
延床面積 約550㎡
※共用廊下・共用階段等について、建築基準法上の容積率不算入制度を前提とした概算です。エントランス、PS、MB、管理スペース等のすべてが容積率不算入になるわけではないため、詳細設計と建築確認申請時の確認が必要です。
建ぺい率の検討
土地面積255.53㎡
×
建ぺい率80%
↓
許容建築面積 約204.42㎡
延床約550㎡を5階建とすると、
1フロア平均約110㎡となります。
想定する建築面積は許容建築面積の範囲内に収まり、建ぺい率上は比較的余裕のある計画です。敷地形状や斜線制限、避難経路、駐輪場等を考慮しながら、1フロア4戸を基本とする配置が想定されます。
想定プラン
- S造5階建
- 25㎡住戸×20戸
- 1フロア4戸
- 住戸専有面積合計約500㎡
- 延床面積約550㎡
- エレベーター1基
- オートロック
- 宅配ボックス
- 駐輪場
- ごみ置場
- 防犯カメラ
想定賃料
25㎡住戸
月額8.5万円~9.3万円
※設備仕様、階数、住戸方位、募集時期、周辺の新築競合物件等により変動します。
年間満室想定収入
月額8.5万円の場合
8.5万円 × 20戸 × 12か月
↓
約2,040万円
月額9.3万円の場合
9.3万円 × 20戸 × 12か月
↓
約2,232万円
年間満室想定収入は、
約2,040万円~2,232万円
と試算します。
想定建築費
延床面積550㎡
↓
約166.4坪
↓
166.4坪 × 135万円
↓
約2億2,460万円
※東京都内のS造共同住宅を想定した概算建築費です。杭工事、地盤改良、設備仕様、資材価格、施工条件等により変動します。
想定総事業費
土地価格
1億5,500万円
+
建築費
約2億2,460万円
↓
約3億7,960万円
※設計監理費、確認申請費、外構工事、地盤改良費、各種負担金、融資費用、税金、仲介手数料等は含まない概算です。
想定表面利回り
年間満室想定収入
約2,040万円~2,232万円
÷
総事業費
約3億7,960万円
↓
約5.4%~5.9%
概算では、東京案件の目標水準である**表面利回り約6%**に近いもののやや届かない可能性があります。
一方、建築費の圧縮、住戸ごとの賃料設定、敷地利用効率の向上によっては、表面利回り6%前後まで改善できる余地があります。
この計画の良い点
✅ 「鐘ヶ淵」駅徒歩4分の駅近立地
✅ 約77坪のまとまった敷地
✅ 建築条件なし・更地渡し
✅ 接道間口が約15mあり、建物配置を検討しやすい
✅ 25㎡住戸×20戸の一定規模を確保できる可能性
✅ 1フロア4戸の効率的な住戸配置が可能
✅ 都内の新築単身者向け共同住宅として安定した需要が期待できる
✅ 長期保有だけでなく、一棟収益物件としての出口も検討しやすい
注意点
- 用途地域が近隣商業地域と準工業地域にまたがっているため、面積按分の確認が必要
- 25㎡×20戸は実効容積率200%の場合に余裕が小さく、詳細な容積率計算が必要
- 南側道路は私道かつ42条2項道路のため、道路境界や後退状況の確認が必要
- 私道の通行・掘削承諾、上下水道等の引込み条件を確認する必要がある
- 第三種高度地区による斜線制限や高さ制限の検討が必要
- エレベーター、避難階段、駐輪場、ごみ置場等を含めた平面計画の精査が必要
- 建築費の変動が表面利回りに大きく影響する可能性がある
販売資料には、私道所有者の意向により戸建住宅で駐車場を設置することは禁止されている一方、車庫なし住宅や共同住宅、建築・引越し車両の通行は可能と記載されています。事業化にあたっては、承諾内容を書面で確認することが重要です。
総合評価
東京都墨田区墨田5丁目は、「鐘ヶ淵」駅徒歩4分の交通利便性と、約77坪のまとまった敷地を兼ね備えた共同住宅向け用地です。
今回想定した**S造5階建・25㎡住戸×20戸・延床約550㎡**の計画では、住戸専有面積500㎡が、実効容積率約200%~240%による容積率算定対象面積約511.1㎡~613.3㎡の範囲内に収まります。
ただし、実効容積率が200%に近い場合は床面積の余裕が小さいため、用途地域の面積按分、容積率算入部分、共用部不算入の適用を詳細に確認する必要があります。
概算表面利回りは**約5.4%~5.9%**となり、東京案件の目標水準である約6%に近い試算です。駅徒歩4分、20戸規模の新築共同住宅という商品性を考慮すると、建築費や賃料設定を精査することで、収益性を改善できる可能性があります。
土地規模、駅距離、想定戸数、将来的な出口戦略を総合的に評価し、都内の都市型収益マンション用地として十分に検討価値のある案件と判断しました。
建築可能面積、用途地域境界、実効容積率、容積率不算入、道路後退、私道の権利関係、建築費、賃料、条例適合性および収益性等については、測量、詳細設計、行政協議、建築確認申請、市場調査等により最終確認が必要です。
本記事に記載した建築計画、賃料、建築費、利回り等は検討時点の概算であり、将来の事業収支や収益を保証するものではありません。
※詳細検討・行政協議のご希望の場合以下リンク先よりご依頼ください。
《上記案件の資料請求及び詳細検討・行政協議のご依頼はこちらから》