【案件レビュー】堺市堺区南向陽町1丁
25㎡住戸×14戸・S造7階共同住宅を検討
今回検討したのは、堺市堺区南向陽町1丁の売土地です。
販売価格は3,480万円。
南海高野線「堺東」駅徒歩8分という交通利便性に加え、商業地域・指定容積率400%という土地条件を活かし、**S造7階建・25㎡住戸×14戸・延床約450㎡**の収益共同住宅として事業性を検討しました。
販売資料では、実測土地面積110.06㎡のうち、私道負担約13.23㎡、セットバック部分約4.25㎡を含み、**有効敷地面積は約92.58㎡**とされています。南西側は幅員約25mの府道、北東側にも道路を持つ両面道路の敷地で、現況は更地です。
物件概要
所在地:堺市堺区南向陽町1丁1番38
販売価格:3,480万円
実測土地面積:110.06㎡(約33.29坪)
土地有効面積:約92.58㎡
私道負担部分:約13.23㎡
セットバック部分:約4.25㎡
土地権利:所有権
地目:宅地
用途地域:商業地域
建ぺい率:80%
指定容積率:400%
防火地域:防火地域
その他:駐車場整備地区
前面道路:南西側府道 約25m
接道状況:南西・北東両面道路
地勢:平坦
現況:更地
建築条件:なし
最寄駅
南海高野線「堺東」駅 徒歩8分
阪堺電気軌道阪堺線「花田口」駅 徒歩7分
南海高野線「堺東」駅から「難波」駅へ直通アクセスが可能で、単身者向け賃貸住宅として一定の交通利便性があります。
実効容積率の検討
本物件は商業地域です。
南西側前面道路幅員約25mより、
25m × 0.6
↓
1,500%
となります。
指定容積率400%の方が厳しいため、
実効容積率400%
を採用します。
容積率算定対象面積
今回は安全側に、販売資料記載の**有効敷地面積約92.58㎡**を基準として検討します。
92.58㎡
×
400%
↓
容積率算定対象面積 約370.32㎡
今回想定する住戸専有面積は、
25㎡ × 14戸
↓
350㎡です。
住戸専有面積350㎡は容積率算定対象面積約370.32㎡以内に収まります。
一方で、残りは約20.3㎡となるため、容積率に算入される共用部をどこまで抑えられるかが本計画の重要なポイントとなります。
建築計画(想定)
今回の検討では、
S造7階建
25㎡住戸×14戸
を想定しました。
基本的な住戸構成は、
1フロア2戸 × 7階です。
住戸専有面積は、
25㎡ × 14戸
↓
350㎡
となります。
約28坪の有効敷地を7階建として縦方向に活用し、14戸の収益住戸を確保する都市型共同住宅計画です。
延床面積
住戸専有面積
350㎡
+
共用廊下・共用階段・エレベーター・エントランス・PS・MB等
約100㎡
↓
延床面積 約450㎡
を想定します。
※延床面積450㎡すべてが容積率算定対象となるわけではありません。共用廊下・共用階段等の容積率不算入制度を前提とした概算であり、詳細設計・建築確認申請時の精査が必要です。
建ぺい率の検討
有効敷地面積
92.58㎡
×
80%
↓
許容建築面積 約74.06㎡
延床約450㎡を7階建とすると、
1フロア平均
450㎡ ÷ 7階
↓
約64.3㎡
となります。
許容建築面積約74.06㎡以内に収まるため、建ぺい率上は比較的計画しやすいボリュームです。
本物件は防火地域に位置するため、耐火建築物等として一定の要件を満たす場合には建ぺい率緩和の可能性もありますが、実際の適用については行政確認が必要です。
想定プラン
- S造7階建
- 25㎡住戸×14戸
- 1フロア2戸
- 住戸専有面積合計約350㎡
- 延床面積約450㎡
- エレベーター1基
- オートロック
- 宅配ボックス
- 防犯カメラ
- 駐輪場
- ごみ置場
1フロア2戸のシンプルな構成とし、階段・EV・廊下等の共用コアをコンパクトにまとめることが、収益性確保のポイントとなります。
想定賃料
25㎡住戸
月額7.0万円~7.5万円
※販売資料には賃料情報の記載がないため、本記事上の事業シミュレーションとして設定した想定値です。
実際の募集賃料については、堺東駅徒歩圏の新築・築浅25㎡クラスを対象とした詳細な市場調査が必要です。
年間満室想定収入
月額7.0万円の場合
7.0万円 × 14戸 × 12か月
↓
約1,176万円
月額7.5万円の場合
7.5万円 × 14戸 × 12か月
↓
約1,260万円
年間満室想定収入は、
約1,176万円~1,260万円
と試算します。
想定建築費
延床面積450㎡
↓
約136.1坪
↓
136.1坪 × 110万円
↓
約1億4,970万円
※大阪府内S造共同住宅の概算建築費として試算しています。7階建となるため、構造計画、基礎・杭、エレベーター、防火仕様、設備仕様、施工条件等によって変動します。
想定総事業費
土地価格
3,480万円
+
建築費
約1億4,970万円
↓
約1億8,450万円
※設計監理費、確認申請費、外構工事、地盤改良・杭工事、融資費用、税金等は含まない概算です。
想定表面利回り
年間満室想定収入
約1,176万円~1,260万円
÷
想定総事業費
約1億8,450万円
↓
約6.4%~6.8%
概算では、大阪案件の目標水準としている**表面利回り約7%**にはやや届かない可能性があります。
一方、土地価格3,480万円に対して14戸を確保した場合、
3,480万円 ÷ 14戸
↓
1戸あたり土地取得原価 約249万円
となります。
土地取得原価は非常に低く、建築費の圧縮や賃料設定の最適化によっては、7%に近づける余地があります。
この計画の良い点
✅ 南海高野線「堺東」駅徒歩8分
✅ 商業地域・実効容積率400%
✅ 南西側約25mの幹線道路
✅ 南西・北東の両面道路
✅ 現況更地で既存建物解体が不要
✅ 有効敷地約92.58㎡で25㎡×14戸を検討可能
✅ 1戸あたり土地取得原価約249万円
✅ 1フロア2戸×7階のシンプルな住戸構成
✅ 堺東駅の立地を活かした賃貸需要・出口戦略を期待できる
注意点
- 公簿・実測面積110.06㎡に対し、有効敷地は約92.58㎡となる
- 私道負担約13.23㎡、セットバック約4.25㎡がある
- 有効面積・私道負担・セットバック面積は仮求積図に基づくため、確定測量で差異が生じる可能性
- 住戸専有面積350㎡に対して容積率上の余裕は約20㎡程度のため、容積算入共用部の精査が重要
- 7階建S造のため、構造躯体・基礎・EV・耐火仕様等の建築コストが収益性に影響する
- 防火地域への対応が必要
- 駐車場整備地区に関する規制確認が必要
- 25㎡×14戸の成立性について詳細な平面計画が必要
- 想定賃料7.0万円~7.5万円について市場調査が必要
- 堺市の共同住宅関連条例・要綱等について確認が必要
総合評価
堺市堺区南向陽町1丁は、南海高野線「堺東」駅徒歩8分、商業地域・実効容積率400%という高い土地利用効率を活かせる、都市型収益共同住宅向け用地です。
販売資料上の実測土地面積は110.06㎡ですが、私道負担・セットバック等を考慮した有効敷地面積は約92.58㎡となります。
今回想定した**S造7階建・25㎡住戸×14戸・延床約450㎡**の計画では、住戸専有面積350㎡が、有効敷地を基準とした容積率算定対象面積約370.32㎡以内に収まります。
年間満室想定収入は約1,176万円~1,260万円。
土地価格3,480万円と概算建築費約1億4,970万円を合わせた想定総事業費は約1億8,450万円となり、概算表面利回りは**約6.4%~6.8%**と試算します。
大阪案件の目標利回り約7%にはやや届かない試算ですが、1戸あたり土地取得原価約249万円という低い土地原価は大きな強みです。
また、堺東駅徒歩圏・商業地域・両面道路・現況更地という土地条件を考えると、建築費の最適化と賃料設定次第では収益性改善の余地があります。
土地価格・建築ボリューム・駅距離・将来的な出口戦略を総合すると、堺東エリアにおける都市型収益マンション開発用地として、詳細検討する価値の高い案件と判断しました。
※掲載内容について
本記事は販売資料および概算条件に基づき、S-REALDEVE独自の視点で事業性をシミュレーションした参考資料です。
販売資料から確認できる内容は、土地価格、土地面積、有効敷地面積、私道負担、セットバック、用途地域、建ぺい率、容積率、道路条件、交通条件、現況等です。
S造7階建・25㎡住戸×14戸・延床約450㎡という建築計画、想定賃料、建築費、総事業費および利回りについては、本記事上の想定条件による試算です。
建築可能面積、容積率不算入、建ぺい率緩和、防火地域・駐車場整備地区等の法規制、建築費、賃料、条例適合性および収益性等については、確定測量・詳細設計・行政協議・建築確認申請・市場調査等により最終確認が必要です。