【案件レビュー】東京都東大和市桜が丘2丁目
25㎡住戸×20戸・S造3階共同住宅を検討
今回検討したのは、東京都東大和市桜が丘2丁目の売土地です。
販売価格は1億400万円。
多摩都市モノレール「桜街道」駅徒歩7分、西武拝島線「玉川上水」駅徒歩9分という交通利便性に加え、約83坪のまとまった敷地と二方向道路を活かし、**S造3階建・25㎡住戸×20戸・延床約570㎡**の収益共同住宅として事業性を検討しました。
販売図面では、土地面積275.82㎡(約83.43坪)。敷地は約23.36m×約11.8mの長方形に近い形状で、西側約5.9m、東側約15mの道路に面しています。
物件概要
所在地:東京都東大和市桜が丘2丁目
販売価格:1億400万円
土地面積:275.82㎡(約83.43坪)
用途地域:工業地域
建ぺい率:60%
指定容積率:200%
前面道路:西側約5.9m・東側約15.0m
接道状況:二方向道路
現況:既存工場あり
販売図面では、希少な工業地域の土地として紹介され、東側道路を挟んで都立東大和南公園、大型ショッピングモールも近い立地とされています。
最寄駅
多摩都市モノレール「桜街道」駅 徒歩7分
西武拝島線「玉川上水」駅 徒歩9分
2駅が徒歩圏にあり、前回検討した八王子市泉町のようなバス便型とは異なり、駅徒歩圏で20戸規模の賃貸住宅を計画できる点が今回の大きなポイントです。
実効容積率の検討
本物件は工業地域、指定容積率200%です。
東側道路幅員約15mを基準にすると、
15m × 0.6
↓
900%
指定容積率200%の方が厳しいため、
実効容積率200%
を採用します。
容積率算定対象面積
土地面積
275.82㎡
×
200%
↓
容積率算定対象面積 約551.64㎡
今回想定する住戸専有面積は、
25㎡ × 20戸
↓
500㎡
です。
住戸専有面積500㎡は、容積率算定対象面積約551.64㎡以内に収まります。
今回の延床面積は約570㎡を想定していますので、共用廊下・共用階段等の容積率不算入を前提として成立性を検討する計画となります。
建築計画(想定)
今回の計画は、
S造3階建
25㎡住戸×20戸
延床約570㎡
です。
住戸専有面積は、
25㎡ ×20戸
↓
500㎡
となります。
3階建20戸ですので、単純に各階同数とはならず、
1階6戸+2階7戸+3階7戸
などの構成が一案となります。
約23mの敷地長さを活かし、片廊下型を基本として効率よく住戸を配置することがポイントです。
建ぺい率の検討
土地面積
275.82
×
60%
↓
許容建築面積 約165.49㎡
ここは今回、特に注意が必要です。
延床570㎡を単純に3層均等とすると、
570㎡ ÷3階
↓
約190㎡/階
となり、許容建築面積約165.49㎡を超えます。
したがって、「延床570㎡・S造3階建」がそのまま成立するかは詳細検討が必要です。
一方、住戸専有面積500㎡については、1階6戸・2階7戸・3階7戸とすると、専有面積だけで、
- 1階:約150㎡
- 2階:約175㎡
- 3階:約175㎡
となります。
このため、建ぺい率60%のままで20戸を3階に配置するには、上階の張り出しの可否、共用廊下・階段の構成、建築面積算定、建ぺい率緩和の有無等を含めた具体的な設計検討が不可欠です。公開版では20戸案を事業シミュレーションとして採用しますが、ここは実施設計前の重要な確認事項とします。
想定プラン
- S造3階建
- 25㎡住戸×20戸
- 住戸専有面積合計約500㎡
- 延床面積約570㎡
- 1K~1DK中心
- オートロック
- 宅配ボックス
- 防犯カメラ
- 駐輪場
- ごみ置場
3階建とすることで、4~5階建のS造共同住宅と比較して、エレベーターを設けない計画も検討可能です。20戸という戸数を確保しながら、EV・高層化に伴う建築コストを抑えることができれば、収益性向上につながります。
想定賃料
25㎡住戸
月額7.0万円~7.5万円
として概算します。
※販売資料には賃料情報の記載がないため、本記事上の事業シミュレーションとして設定した想定値です。実際の募集賃料については、桜街道駅・玉川上水駅周辺の新築・築浅25㎡クラスを対象とした市場調査が必要です。
年間満室想定収入
月額7.0万円の場合
7.0万円 ×20戸 ×12か月
↓
1,680万円
月額7.5万円の場合
7.5万円 ×20戸 ×12か月
↓
1,800万円
年間満室想定収入は、
約1,680万円~1,800万円
と試算します。
想定建築費
延床570㎡
↓
約172.4坪
今回はS造3階建として、
172.4坪 × 110万円
↓
約1億8,960万円
と概算します。
※実際の建築費は、地盤・基礎・構造計画・設備仕様・外構・施工条件・資材価格等により変動します。
想定総事業費
土地価格
1億400万円
+
建築費
約1億8,960万円
↓
約2億9,360万円
※既存工場解体費、設計監理費、確認申請費、地盤改良・杭工事、外構費、融資費用、税金等は含まない概算です。
想定表面利回り
年間満室想定収入
約1,680万円~1,800万円
÷
想定総事業費
約2億9,360万円
↓
約5.7%~6.1%
東京案件で目標としている**表面利回り約6%**に対して、概算ではほぼ目標水準前後となります。
土地価格1億400万円に対して20戸を確保した場合、
1億400万円 ÷20戸
↓
1戸あたり土地取得原価 約520万円
です。
駅徒歩7分・約83坪という条件を考えると、土地原価は比較的抑えられています。
この計画の良い点
✅ 多摩都市モノレール「桜街道」駅徒歩7分
✅ 西武拝島線「玉川上水」駅徒歩9分
✅ 約83坪のまとまった土地
✅ 長方形に近い比較的計画しやすい敷地
✅ 東西二方向道路
✅ 東側道路幅員約15m
✅ 実効容積率200%を確保
✅ 25㎡×20戸の中規模共同住宅を検討可能
✅ 1戸あたり土地取得原価約520万円
✅ S造3階建とすることでEVなし計画を検討できる
✅ 駅徒歩圏のため、八王子郊外型案件と比較して賃貸需要を読みやすい
注意点
- 現況は既存工場があり、解体費が別途必要
- S造3階・延床570㎡については建ぺい率との整合確認が必要
- 25㎡×20戸を3層で成立させるには詳細な平面・断面計画が必要
- 容積率算定対象面積約551.64㎡に対して、住戸専有面積500㎡のため余裕は約51.6㎡
- 共用部の容積率算入・不算入を詳細設計時に確認する必要がある
- 工業地域のため、周辺土地利用・騒音等について現地確認が必要
- 20戸規模となるため、駐輪場・ごみ置場・管理動線等の検討が重要
- 東大和市および東京都の共同住宅関連条例・要綱の確認が必要
- 想定賃料7.0~7.5万円について市場調査が必要
総合評価
東京都東大和市桜が丘2丁目は、桜街道駅徒歩7分・玉川上水駅徒歩9分という交通利便性と、約83坪のまとまった敷地を兼ね備えた中規模収益共同住宅向け用地です。
販売図面上、土地面積は275.82㎡。東西二方向道路に面し、特に東側は約15m道路となっているため、指定容積率200%を十分に活用できる土地条件です。
今回想定した**S造3階建・25㎡住戸×20戸・延床約570㎡**では、住戸専有面積合計約500㎡となり、容積率算定対象面積約551.64㎡以内に収まります。
年間満室想定収入は約1,680万円~1,800万円。
土地価格1億400万円と概算建築費約1億8,960万円を合わせた想定総事業費は約2億9,360万円となり、概算表面利回りは**約5.7%~6.1%**と試算します。
今回の大きなポイントは、高層化して戸数を確保するのではなく、約83坪の土地面積を活かして3階建で20戸を確保し、建築コストを抑える考え方です。
一方、建ぺい率60%に対して延床570㎡を3階で成立させるには設計上の検証が必要です。そのため、公開時点では20戸案を事業シミュレーションとして評価しつつ、詳細設計では建築面積と20戸配置の成立性を最優先で確認すべき案件と判断します。
駅距離・敷地規模・道路条件・1戸あたり土地原価を総合すると、東大和エリアにおける中規模収益マンション開発用地として詳細検討する価値のある案件です。
※掲載内容について
本記事は販売資料および概算条件に基づき、S-REALDEVE独自の視点で事業性をシミュレーションした参考資料です。
販売資料から確認できる内容は、土地価格、土地面積、道路条件、交通条件、既存建物等です。S造3階建・25㎡住戸×20戸・延床約570㎡という建築計画、想定賃料、建築費、総事業費および利回りについては、本記事上の想定条件による試算です。
建築可能面積、容積率不算入、建ぺい率、建物高さ、条例適合性、既存工場解体、建築費、賃料および収益性については、詳細設計・行政協議・建築確認申請・市場調査等により最終確認が必要です