【Case Review】大阪市西成区出城1丁目|S造5階・25㎡×9戸の収益共同住宅を検討
今回検討したのは、大阪市西成区出城1丁目の売土地です。
JR大阪環状線「今宮」駅徒歩5分、南海本線「新今宮」駅徒歩5分の立地。
土地面積91.04㎡の敷地について、S造5階建・25㎡×9戸・延床約320㎡
の収益共同住宅として事業性を検討しました。
物件概要
- 所在地:大阪市西成区出城1丁目
- 交通①:JR大阪環状線「今宮」駅 徒歩5分
- 交通②:南海本線「新今宮」駅 徒歩5分
- 交通③:JR大阪環状線「新今宮」駅 徒歩8分
- 土地価格:2,500万円
- 土地面積:91.04㎡(約27.53坪)
- 土地権利:所有権
- 地目:宅地
- 都市計画:市街化区域
- 用途地域:準工業地域
- 建蔽率:60%
- 容積率:300%
- 防火指定:準防火地域
- 東側道路:公道 約8m
- 現況:更地
- 建築条件:なし
敷地形状は、おおむね
間口約4.7m × 奥行約19.3~19.4m
の細長い整形地です。
ボリューム検討
今回の想定計画は、
S造5階建
25㎡×9戸
延床約320㎡
です。
想定建物
- 構造:鉄骨造
- 階数:5階建
- 戸数:9戸
- 住戸面積:25㎡/戸
- 住戸面積合計:225㎡
- 共用部等:約95㎡
- 延床面積:約320㎡
- 想定間取り:1K~1DK
- EV:設置を含めて検討
容積率の検討
指定容積率は**300%**です。
前面道路は約8m、準工業地域のため、
8m×0.6=480%
となります。
指定容積率300%の方が小さいため、
実効容積率=300%
です。
容積対象床上限
91.04㎡×300%= 約273.1㎡です。
一方、今回の想定延床は約320㎡です。
差は320㎡-273.1㎡=約46.9㎡
となります。
したがって今回の計画では、
共用廊下・階段等について約47㎡以上を容積率算定上の不算入部分として整理できること
が重要な成立条件になります。
住戸部分
25㎡×9戸= 225㎡です。
住戸部分だけで見ると、
225㎡÷91.04㎡= 約247%
となり、指定容積率300%以内に収まります。
建蔽率の検討
指定建蔽率は**60%**です。
基本的な建築面積上限は、
91.04㎡×60%= 約54.6㎡です。
一方、本物件は準防火地域です。
所定の耐火性能を満たす建築物として計画し、建蔽率+10%の緩和が適用できる場合、
建蔽率70%として検討できます。
その場合91.04㎡×70%= 約63.7㎡です。
今回の延床320㎡を5階で単純平均すると、
320㎡÷5階=64㎡/階となります。
したがって、単純平均では緩和後の建築面積約63.7㎡とほぼ同水準です。
実際には1階エントランス・駐輪場等の構成、上階床面積、共用部の取り方を調整しながら、
各階60~64㎡程度でまとめられるかを検討する必要があります。
建築計画イメージ
9戸を5階で構成する一例として、
1階
25㎡×1戸
+エントランス・共用部
2階
25㎡×2戸
3階
25㎡×2戸
4階
25㎡×2戸
5階
25㎡×2戸
合計25㎡×9戸=225㎡を想定します。
間口約4.7mと細いため、
- 共用階段
- EV
- 共用廊下
- PS
- メーターボックス
- ゴミ置場
- 駐輪場
の配置を効率化することが重要です。
賃料想定
ここからは販売資料ではなく、当社による初期事業性確認のための概算条件です。
今宮駅徒歩5分、新今宮駅徒歩5分という立地を踏まえ、新築25㎡の単身者向け住戸について、
想定賃料:8.5万円/戸として試算します。
満室想定年収
8.5万円×9戸×12か月= 918万円/年
収益シミュレーション
土地費
2,500万円
建築費
S造5階建・延床320㎡
320㎡÷3.3058=約96.8坪
S造建築費を当社概算基準の、
120万円/坪とすると96.8坪×120万円
= 約1億1,616万円
土地+建物
2,500万円+1億1,616万円= 約1億4,116万円
※設計費・外構費・EV・杭工事・地盤改良・確認申請費・融資費用・税金等は含まない簡易試算です。
想定表面利回り
年間満室賃料918万円の場合、
918万円÷1億4,116万円×100= 約6.5%
となります。
大阪エリアで当社が一つの目安としている、
表面利回り7%
にはやや届かない試算です。
賃料別シミュレーション
| 想定賃料 | 年間満室収入 | 想定表面利回り |
|---|---|---|
| 7.5万円 | 810万円 | 約5.7% |
| 8.0万円 | 864万円 | 約6.1% |
| 8.5万円 | 918万円 | 約6.5% |
| 9.0万円 | 972万円 | 約6.9% |
| 9.5万円 | 1,026万円 | 約7.3% |
大阪7%基準を確保するためには、1戸あたり月額約9.2万円前後が一つの目安になります。
この案件の良い点
1.今宮駅徒歩5分
JR大阪環状線「今宮」駅徒歩5分という交通利便性があります。
2.新今宮駅も利用可能
南海線「新今宮」駅も徒歩5分圏で、複数路線を利用できる点は賃貸募集上の強みになります。
3.土地価格2,500万円
大阪市内・駅徒歩5分圏でありながら、土地価格を2,500万円に抑えられています。
9戸で単純按分すると、土地原価:約278万円/戸です。
4.準工業地域・容積率300%
約27.5坪というコンパクトな土地でも、高い容積率を活かしてS造5階の共同住宅を検討できます。
5.東側約8m公道
道路幅員による容積率低減を受けず、指定容積率300%を利用できます。
6.現況更地
既存建物の解体工程が不要で、事業計画を進めやすい条件です。
総合評価
大阪市西成区出城1丁目は、
今宮駅徒歩5分・新今宮駅徒歩5分・準工業地域300%・8m公道・現況更地
という条件を活かし、S造5階建・25㎡×9戸・延床約320㎡
を検討する都市型収益マンション案件です。
今回の概算では、
- 土地+建物:約1億4,116万円
- 年間満室賃料:約918万円
- 想定表面利回り:約6.5%
となりました。
大阪7%基準には若干届かないものの、土地価格が2,500万円と軽く、賃料または建築費を最適化できれば7%ラインが見えてきます。
法規上のボリューム確認は必要ですが、土地価格の低さと駅近立地を活かし、大阪7%基準を狙う価値のある都市型S造候補と考えます。
※本記事は販売資料をもとにした簡易的な事業性検討です。想定建物・戸数・賃料・建築費等は概算であり、実際の建築可否・法令適合性・収益性を保証するものではありません。共用廊下・階段等の容積率不算入および建蔽率緩和を含めた正式な法規検討が必要です。